太陽光発電のシミュレーションの重要性とは?依頼する際の注意点
太陽光発電のシミュレーションは、発電量やコストを事前に把握するために不可欠です。これにより年間予測発電量が分かり、初期費用や家計への影響を計画しやすくなります。
また、メーカーごとに発電量が異なるため、適切な製品選びに役立ちます。発電量は性能だけでなく設置場所や天候など外的要因にも左右されるため、シミュレーションでこれらの要因も考慮できます。
シミュレーションの依頼方法には、メーカー、設置業者、販売店、シミュレーションサイトの利用があります。正確なデータ提供とメンテナンス費用を含めた計算が重要です。
目次
太陽光発電のシミュレーションは必要?
太陽光発電は製品によって、発電量が異なるため節約できる電気代や売電の収入も変わってきます。そのため、太陽光発電の取り付け前にはシミュレーションが重要です。
シミュレーションをしておくと太陽光発電を導入する際の失敗などを防げます。これから太陽光発電パネルの取り付けを検討している方は、シミュレーションがなぜ重要なのか、理由を知っておきましょう。
◇年間予測発電量を計測できる
太陽光発電のシミュレーションは、太陽光発電によって1年間で発電できる量の予測が可能です。太陽光発電にかかる初期費用は、数十万円から数百万円と決して安くありません。年間予測発電量を知っておくと太陽光発電が家計に与える影響や資金計画がしやすくなります。
◇メーカーによって発電量が異なる
太陽光発電パネルは、さまざまなメーカーが製造・販売していますが、メーカーによって発電量が異なるため、導入する太陽光発電システムの発電量がどのくらいなのか把握しておくのが重要です。
メーカーによっては年間予測発電量が10,000kWhを超えるものから5,000kWh前後のものまでと差があるため、事前にシミュレーションしておくと製品選びなどにも役立ちます。
◇発電量は様々な要因に左右される
太陽光発電システムの発電量で左右されるのは性能面だけではありません。設置する場所や規模、天候、定期的なメンテナンスなど外的要因でも変化します。シミュレーションとは異なるケースも多いため、外的要因も含めたシミュレーションを行うのがおすすめです。
太陽光発電のシミュレーション方法とは?
太陽光発電システムを導入する上で重要なシミュレーションですが、シミュレーションする方法にはいくつかあり、自分で計算する方法もあります。しかし、より詳しく調べたい場合は、専門的な機関やサービスを利用するのもひとつの方法です。
その中でも代表的な方法は次の3つになります。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選択するのが大切です。
◇メーカーへ依頼
太陽光発電システムの導入の際、メーカーにシミュレーションの依頼ができます。メーカーへ依頼した場合は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のデータを用いてのシミュレーションです。
◇設置業者や販売店へ依頼
太陽光発電の設置業者または販売店へのシミュレーションの依頼もできます。業者や販売店の場合に依頼した場合、独自のツールを使用しているケースも多く、具体的な数値を確認しやすいのが特徴です。
◇シミュレーションサイトを利用
太陽光発電のシミュレーションには、シミュレーションサイトを利用したやり方もあります。太陽光発電関連の企業が運営しているサイトもいくつかあり、依頼を受付けているところが多いです。また、中にはサイトだけでなくソフトも販売している場合もあります。
太陽光発電のシミュレーションサイトを紹介
さまざまなメーカーが太陽光発電のシミュレーションサイトを運営していますが、中でも代表的なのがシャープ・京セラ・LIXILの3つです。それぞれのサービスに違いがあるため、自分にはどのサイトが合っているのか知っておくとよいでしょう。
◇SHARP
画像出典:SHARP
SHARP(シャープ)の太陽光発電のシミュレーションサイトでは、設置費用の目安・発電量の予測・電気代節約効果・補助金情報を調べられます。
また、シャープのシミュレーションにはソーラー簡単シミュレーションと太陽光発電と蓄電池の導入シミュレーションの2種類あり、調べられる項目が異なっているのが特徴です。簡単シミュレーションの際は、太陽光発電+蓄電池(卒FIT)以外の数値を調べられます。
◇京セラ
画像出典:京セラ
京セラでもシミュレーションサイトが運営されており、住まいの都道府県・太陽光発電や蓄電池の情報・電気料金など全4ステップで太陽光発電・蓄電池のシミュレーションが可能です。時間別の発電量がグラフ化されており、初めての方にも分かりやすくなっています。
さらに月別グラフでは日射量の違いも考慮したデータも合わせて知れるのも京セラが提供するシミュレーションサイトの魅力です。また、蓄電池の停電時使用可能家電シミュレーションも提供しているため、震災など災害が発生した場合のデータを把握できます。
◇LIXIL
画像出典:LIXIL
LIXILのシミュレーションサイトは、設置条件を入力して予想発電量や節約電気料金などの目安を調べられるのが特徴です。住まいの都道府県・エリアや設置する屋根の形状・太陽光パネルのタイプ・設置している方角などの選択肢が用意されています。
自分が導入を検討している条件に限りなく近いデータを把握できるのもLIXILのシミュレーションサイトの魅力です。
太陽光発電のシミュレーションを依頼する際の注意点とは?
シミュレーションを依頼するにあたっていくつか注意しなければならない点があります。特に太陽光発電の場合、住んでいるエリアや太陽光発電を設置する住宅の形状などの情報は必ず必要になってくるため、より正確なデータを知るためにも次の3つに注意して利用しましょう。
◇組み入れられているデータを確認
シミュレーション結果に日照時間・太陽光パネルの設置方角・角度など、さまざまなデータが組み込まれているか確認するのが重要です。シミュレーションサイトや業者の中には、実際の発電量と大幅に乖離しているデータを提示してくる悪徳業者も存在します。
このような悪質な業者に引っかからないためにも、他のデータも算出されているか確認しておくと安心です。
◇必要なデータを提供する
シミュレーションを依頼する際は、必ず必要なデータを提供しなければなりません。12ヶ月分の電気料金の明細・料金プラン・住宅の設計図・周辺環境などのデータが必要になります。
また、蓄電池の導入を検討している方は、太陽光発電+蓄電池の電気代節約効果や買電量の削減量などのデータも算出可能か調べておくとよいでしょう。
◇メンテナンス費用をふまえているか確認
シミュレーションをした際にメンテナンス費用もふまえて計算しなければなりません。太陽光発電は、売電収入がある場合は所得税、保守点検や保険料などが発生する上に、災害が起きた場合、故障に繋がってしまうケースもあります。
結果、メンテナンス費用で収支バランスが崩れる恐れがあるため、メンテナンス費用を含めた計算が必要です。適切なアドバイスを受けるためにも、計算結果にメンテナンス費用が含まれているのかきちんと確認しておきましょう。
太陽光発電のシミュレーションは、発電量やコストを事前に把握するために重要です。シミュレーションにより、年間予測発電量を計算し、初期費用に対する家計への影響や資金計画を立てやすくなります。
また、メーカーによって発電量が異なるため、どの製品が適しているかを判断する助けになります。発電量は性能だけでなく、設置場所や天候など外的要因にも左右されるため、シミュレーションを行うことでこれらの変動要因も考慮できます。
シミュレーションには、メーカーに依頼する方法、設置業者や販売店に依頼する方法、シミュレーションサイトを利用する方法があります。それぞれの方法には特徴があり、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
シミュレーションを依頼する際は、データが正確であること、必要な情報を提供すること、メンテナンス費用も含めた計算がされていることを確認することが重要です。これにより、より現実的なコストと発電量の予測が得られ、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。