太陽光発電の卒FITに電気自動車で賢くエネルギー活用するには?
日本は2035年までに新車販売を電動車100%にする目標を掲げ、急速充電器の増設などを進めています。卒FIT後は、家庭用蓄電池の導入やEVを蓄電池代わりに活用する選択肢が浮上し、災害時の非常用電源としての役割も期待されています。
目次
普及が進む電気自動車と各国の取り組みとは?
2024年の日本における電気自動車(EV)の普及状況は注目されており、今後の市場動向が重要です。アメリカやヨーロッパでもEVの普及が進んでおり、各国の取り組みが影響を与えています。日本政府は2035年までに電動車100%の目標を掲げ、インフラ整備を進めています。
◇日本のEV普及率
2024年の日本におけるEVの普及率は約1.85%で、普通乗用車のEVシェアは約1.16%、軽自動車は約3.32%です。前年と比べて若干の減少が見られますが、これは2023年度の国のEV補助金が終了したことが影響しています。
新しい補助金制度が2024年3月末から再開される見込みで、EV販売は増加する期待があります。今後の政策や市場動向が普及に重要です。
◇その他の国の普及率
アメリカの2023年のEV普及率は約7.6%で、販売台数は約119万台に達しました。これはバイデン政権のインフレ抑制法やカリフォルニア州の支援策によるもので、州ごとの普及率には差があります。
ヨーロッパでは、2023年にEU全体でのEV普及率が約14.6%に達し、ディーゼル車のシェアを上回りました。しかし、ドイツやフランスでは補助金制度の終了が迫っており、今後の動向に注目です。
◇日本の取り組み
日本は2035年までに新車販売の電動車100%を目指しており、EVやPHEV、HEV、FCEVを含みます。政府は「グリーン成長戦略」を進め、急速充電器の増設を計画しています。
2030年までに急速充電器を4倍にする目標があり、自治体もEV普及に向けた取り組みを行っています。東京都は「ZEV普及プログラム」を通じて充電インフラの整備とCO2排出ゼロを目指しています。
卒FIT後は電気自動車の活用も視野に
2024年の日本のFIT制度は、再生可能エネルギーの売電価格が低下し、家庭のエネルギー管理に新たな選択肢が求められています。特に、太陽光発電や蓄電池、電気自動車の活用が重要です。
◇卒FITで売電価格は低下
FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)は、2009年に導入され、発電した電力を一定期間、電力会社が高値で買い取る仕組みです。家庭用太陽光発電(10kW未満)は10年間の買取期間があり、その後、買取が終了する「卒FIT」時期に入ります。
卒FIT後は、高い売電価格が期待できず、新しい電力の利用法や契約の見直しが必要になります。
◇蓄電池を設置する
卒FIT後の選択肢として、家庭用蓄電池の導入が挙げられます。蓄電池を設置すれば、夜間や停電時でも電力を使用でき、さらに夜間の安価な電力を貯めておくことが可能です。この方法により、電気代を削減し、太陽光発電を有効活用したエコな生活が実現できます。
導入には初期費用がかかりますが、補助金が利用できる場合もありますので、導入時には確認が必要です。
◇電気自動車を蓄電池の代わりに
卒FIT後、蓄電池の代替として電気自動車(EV)を利用する方法もあります。EVは蓄電容量が大きく、停電時に長時間電力を供給できる点が魅力です。ただし、EVを家庭で活用するためには、車と家庭の電力をやり取りする「V2Hシステム」が必要で、追加費用がかかります。
また、充電インフラがまだ十分に整っていないため、EVを蓄電池代わりにするには予算に余裕がある方に適しています。
電気自動車の電力を家庭で使う方法も
2024年、V2H(Vehicle to Home)技術が注目されています。これは、電気自動車やプラグインハイブリッド車の電力を家庭で活用する仕組みで、災害時の電力供給やエネルギー効率向上に寄与します。
◇V2Hとは何か
V2H(Vehicle to Home)とは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーに蓄えた電力を自宅で利用するシステムです。通常のEV充電設備は家庭から車に電力を供給するものですが、V2Hはその逆に、車から家庭に電力を供給できます。
この仕組みにより、災害時の停電時に家庭用電力として活用できるため、EVのエネルギーを効果的に利用する手段として注目されています。
◇非系統連携
非系統連携のV2Hは、電気自動車(EV)と家庭を繋ぐシステムであり、太陽光発電と連系できるタイプもあります。ただし、変換ロスが多く発生するのが特徴です。太陽光で発電した直流電力は、パワーコンディショナで交流に変換された後、V2Hで再び直流に戻されてEVに充電されます。
このプロセスにより、エネルギー効率が低下するため、太陽光発電の電力を効率的に利用したい場合は、太陽光蓄電池連系タイプがより適しています。
◇系統連系
「系統連系」は、太陽光発電システムを既に設置している家庭で、発電した電力を自家消費する仕組みです。このタイプでは、太陽光発電の電力、電気自動車(EV)からの電力、さらに電力会社からの電力を同時に使用できます。
これにより、発電量が不足しても電力会社から供給を受けられ、安定した電力供給が確保されます。停電時や電力需要が高い際にも安心して電気を利用できるというメリットがあります。
太陽光発電と電気自動車を組み合わせる利点
太陽光発電とEV・PHEVの組み合わせにより、充電コストの削減や光熱費の節約、災害時の電力供給が可能になります。これにより、経済的で環境に優しい生活を実現し、安心して日常生活を送れるようになります。
◇格安で充電できる
太陽光発電とEV・PHEVを組み合わせることで、多くのメリットが得られます。自宅に太陽光発電システムを導入すると、電力会社からの電気よりも格安でEV・PHEVを充電できます。最近の電気代上昇を考慮すると、充電コストを大幅に削減できるでしょう。
さらに、V2H機器を併用すると、倍速充電機能により通常より短時間で充電が完了し、より効率的に電力を活用できます。この結果、経済的かつ環境に優しい生活を実現できます。
◇光熱費が下がる
太陽光発電とEV・PHEVを組み合わせることで、住宅全体の光熱費を大幅に削減できます。太陽光発電で日中に発電した電気をEV・PHEVに蓄え、夜間にはその蓄えた電力を自宅に供給することが可能です。これにより、夜間に電力会社から購入する電気を減らし、光熱費の節約につながります。
V2Hシステムを活用すれば、日中の太陽光発電の電力を効率よく利用し、住宅全体のエネルギー管理を最適化できます。これにより、経済的かつ環境に優しい生活が実現します。
◇災害時の非常用電源
太陽光発電とEV・PHEVの組み合わせにより、災害時にも安心して電気を利用できる大きなメリットがあります。停電時でも、昼間は太陽光発電で作られた電気を使用し、夜間にはEV・PHEVのバッテリーから給電することで、普段とほぼ同じ生活が維持できます。E
V・PHEVのバッテリーは家庭用蓄電池よりも大容量であり、車種によっては数日間以上家庭に電力を供給できます。これにより、非常時にも安定した電力供給が可能となり、災害時の生活の安心感が大幅に向上します。
2024年の日本における電気自動車(EV)の普及率は約1.85%で、普通乗用車のEVシェアは約1.16%、軽自動車は約3.32%となっています。前年と比べると若干の減少が見られ、これは国のEV補助金が2023年2月に終了したことが要因です。2024年3月末から新しい補助金制度の受付が再開される予定で、今後のEV販売は増加が期待されます。
一方、アメリカのEV普及率は約7.6%、EU全体では14.6%に達しており、特にカリフォルニア州では21%に達しています。ヨーロッパでは2024年にドイツやフランスで補助金制度の厳格化が進むため、今後の普及率には注目が集まります。日本は2035年までに新車販売を電動車100%にする目標を掲げ、急速充電器の増設や自治体のEV普及策を進めています。
卒FIT後は、家庭用蓄電池の導入やEVを蓄電池代わりに利用する方法が注目されています。V2H(Vehicle to Home)システムを導入すれば、EVの電力を家庭で活用でき、災害時の非常用電源としても機能します。これにより、充電コストを抑え、安定した電力供給が可能になり、経済的かつ環境に優しい生活が実現できます。